アライグマとたぬきは、
どちらも目の周りが黒く
顔立ちが似ていて、
大きさがどちらも
50~60cm なので、
一見そっくりに見えます。
しかし、生物学的には
全く違う生き物で、
違いがたくさんあるのです。
英語で違いは?アライグマとタヌキ
欧米人から見ても、
たぬきとアライグマは、
そっくりに見えるようです。
その証拠に、
英語で
アライグマを「raccoon」、
たぬきを「raccoon dog」、
違いがあります。
言うなれば
”イヌ科のアライグマ”
と呼んでいます。
たぬきはもともと
東アジアにしか生息せず、
欧米で見かけることはないので、
安易にこう名付けたのでしょう。
しかし、最近では
「Tanuki」という呼び方が、
英語圏でも
少しずつ使われるように
なっているそうです。
ちなみに、
アライグマも
本来日本には
生息していなかったのですが、
アニメ『あらいぐまラスカル』が
人気を博したことなどもあって
日本に持ち込まれ、
それが後に野生化し、
現在は森などで
見かけるようになりました。
交雑は?見分け方
このように、
たぬきとアライグマは見た目がそっくりなのですが、
実際は全く違う生き物なんです。
見分け方では
たぬきは
イヌ科タヌキ属であるのに対し、
アライグマは
アライグマ科アライグマ属
に分類されます。
見た目がそっくりなので
交雑種が産まれそうですが、
動物の交雑は主に近い種属、
例えば
イヌ科同士の
イヌとオオカミなどの間で行われます。
したがって、
種属の全く違う
たぬきとアライグマの間で
交雑種が産まれることは、
限りなくゼロに等しいと考えられています。
ハクビシンは?見分け方は?たぬきとアライグマ
では、森で突然出くわしたとき、
たぬきとアライグマを
どうやって見分ければいいのでしょう。
たぬきとアライグマの見分け方は
いくつかあるのですが、
最もわかりやすいのは
「しっぽ」の違いです。
たぬきのしっぽは、
地面にとどかないくらいの短さで、
模様のない茶色いしっぽです。
一方、
アライグマのしっぽは、
長くフサフサしています。
長いといっても、
ハクビシンのように
胴体ほどの長さはありません。
そして、たぬきと違い、
しっぽにしましま模様があります。
違いは他にも!たぬきとアライグマにはたくさん!
たぬきとアライグマは
種属が違いますので、
足跡も全く違います。
たぬきはイヌ科なので、
イヌのような足跡であるのに対し、
アライグマは人の手のような
五本指の足跡がつきます。
また、たぬきは
耳のふちが黒いですが、
アライグマは白く、
アライグマにはおでこから
鼻まで黒いすじがありますが、
たぬきにはありません。
たぬきのひげは
黒くて目立ちませんが、
アライグマは
白くて長いひげです。
性格においても、
たぬきは臆病で、
人の気配がすると逃げますが、
アライグマは時に
狂暴になり
人に襲いかかります。
どんなにかわいくても、
近づかないようにしましょう。
以上のように、
見た目は似ている
たぬきとアライグマですが、
違いがたくさんあります。
そもそも、
全く違うところに住んでいて、
全く違う種に属する
二つの動物が、
見た目がそっくりというのは
とんでもない偶然としか
言いようがありません。