接種した乳幼児241例を対象に調査した結果、
接種後1~12年の間で
発症した例は
1例だけという効果があります。
予防接種は高い効果が期待できます。
おたふく風邪とは、
「ムンプスウイルス感染」
することで
耳の下にある
「耳下腺」が炎症を起こし、
おたふくの様に顔が腫れる病気です。
では、予防接種はいつから接種したらよいのでしょうか。
また副作用なども気になると思います。
そこで今回は
・おたふく風邪とは
・おたふく風邪に掛かった時の注意点や対処法
・おたふく風邪の予防接種について
・副作用について
・予防接種の費用について
・よくある質問
について紹介します。
おたふく風邪と熱とは
予防接種の効果や副作用などを紹介する前に、
まず「おたふく風邪」とは何かを
紹介します。
1.おたふく風邪とは
おたふく風邪とは、
「ムンプスウイルス感染」
することで
耳の下にある
「耳下腺」が炎症を起こし、
おたふくの様に顔が腫れる病気です。
正式名称は
「流行性耳下腺炎」といい、
感染力の強い疾患として知られています。
日本では、
4~5年毎に流行を繰り返していますが、
先進国で
ワクチンの定期接種されてないのは
日本だけです。
2.原因
原因となるのは
「ムンプスウイルス」で、
ウイルスを持っている人との
接触や
くしゃみによる
飛散などで
感染すると言われています。
年中感染する可能性があり、
春夏は保育園や幼稚園での
集団感染、
幼児期~小学校低学年までの
小児に多く発症すると言われています。
3.症状
原因となる
「ムンプスウイルス」
は体内に侵入すると、
鼻やのどなどの粘膜、
首などのリンパ節でウイルスが増加し、
血液によって
全身に運ばれて全身に広がります。
2週間~3週間の潜伏期間後、
耳下腺や顎下腺の腫れ、
押したときの痛みや
飲むときの痛み、
発熱などの症状が起こります。
おたふく風邪に掛かった時の注意点や必要な対処法
1.高熱が3日以上続く場合
38℃以上の高熱が3日以上続く場合は、
おたふく風邪の可能性があります。
高熱になればなるほど
体力の消耗が激しくなります。
また5日程度続く場合が有り、
この場合は
「髄膜炎」や「髄炎」などの
合併症が疑われます。
高熱が続くような時には、
早めに病院を受診しましょう。
早すぎたと思わないことです。
2.おたふく風邪でも熱が出ないことがある
おたふく風邪でも、
殆ど熱が出ない時もあります。
熱が出ない場合でも
症状が出ない
「不顕性感染」という
ケースがあります。
症状が出ていなくても
周囲の人にうつす可能性があります。
子供に熱が出ていなくても、
油断せずに
十分に注意する必要があります。
3.耳に強い痛みが出ると要注意
発症から1週間程度は、
耳に強い痛みや違和感が続きます。
長いと10日~15日程度
症状が続く場合があります。
※耳の後ろを冷やすと痛みが和らぐことがあります。
子供の様子を見て、
耳に強い痛みがある時は、
早めに病院を受診しましょう。
4.おたふく風邪になると出席停止になる
幼稚園や保育園、
小学生や中学生は、
おたふく風邪になると
「出席停止」となります。
これは、
学校保健安全法で規定されています。
最低でも5日間は、
登園や登校は禁止となっています。
おたふく風邪の予防接種について
おたふく風邪の予防接種の効果は、
どうなのでしょうか。
また、何回接種すればよいのでしょうか。
ここでは
予防接種について
詳しく紹介していきます。
1.予防接種の効果
・1回目接種:
予防接種をしてから、おたふく風邪の患者数は88%以上減少しています。
・2回目接種:
予防接種2回目を接種することで、患者数は97%以上減少しています。
これらの結果、
予防接種することで
重症化を防ぐことが出来ます。
2.接種回数と時期
①接種回数
おたふく風邪の発症を予防するために、
任意接種として
「2回接種」を
日本小児科学会では
推奨しています。
②接種時期
接種推奨時期は、
麻しん風しん混合ワクチンの
定期接種と同期です。
・1回目接種:1歳から接種できます。
・2回目接種:1回目予防接種から28日後以上あけば接種出来ます。
※1回目の接種でしっかりと
免疫を付ける必要があるので、
一回目と2回目の接種時期があいています。
不明な時は、
小児科の医師に相談しましょう。
③何歳までに接種する?
・1回目接種:1歳から接種することが出来ますが、
遅くても集団生活に入る前の
「5歳~7歳」までに
接種しましょう。
・2回目接種:1回目予防接種後、
28日以上(約4週間以上)間隔をあければ
接種可能です。
早めに接種する事をオススメします。
※1回目の接種出来る年齢は1歳から出来ます。
接種を忘れていたかたは
大人になってからでも
接種できます。
④予防接種を忘れた人は、どうするの?
子供の頃に予防接種を忘れた方は、
大人になっても接種可能です。
忘れたことに気付いたら、
早めに接種するようにしましょう。
接種間隔は、
子供と同様に2回目は28日以上
あけましょう。
3.ワクチンについて
一般的なワクチンは次の通りです。
ワクチン名称 |
おたふく風邪生ワクチン「北里第一三共」 |
予防できる病気 |
おたふく風邪 |
ワクチン種類 |
生ワクチン |
定期・任意 |
任意接種 |
接種回数 |
2回 |
接種量 |
0.5ml |
接種期間 |
1歳以降接種可能
1回目と2回目の間隔は4週間以上あける |
4.予防接種の効果
予防接種することでの効果は次の通りです。
・1回目接種:有効率約78%
・2回目接種:有効率約88%
上記の様に、
予防接種をしたらかからない
可能性が高くなります。
5.接種記録について
各ワクチンを受けた日付や
接種場所などのワクチンの
情報が記載されたものです。
一番良い方法は
「母子手帳」
で記録を
管理することです。
母子手帳での接種記録は、
大人になってからでも出来、
ワクチン接種後には
記録するようにしましょう。
おとなになって
自分の母子手帳が見当たらないときには、
保健センターに問い合わせると
再発行をしてくれます。
6.防接種を受けることが出来ない人
①接種直前の体温が「37.5℃以上」の人
②思い急性疾患にかかっていることが明らかな人
③医師が予防接種を受けることが不適当な人
これらは、
問診票や
診察で
判断されることが多いです。
7.予防接種後の注意点
①接種当日の入浴は差し支えありませんが、
駐車した部位を
擦ることはやめましょう。
②接種当日は、
接種部位を清潔に保ち、
普段通りの生活をしましょう。
ただし、激しい運動や
大量の飲酒は避けましょう。
③高熱や痙攣などの異常な症状が出た場合は、
早急に医師の診察を受けましょう。
※2021年現在、おたふく風邪と日本脳炎のワクチンは
全国的に不足しています。
接種時期が来たら早目に接種するようにしましょう
予防接種の副作用について
予防接種後の、副作用や副反応が不安な方もいると思います。
ここでは、接種後の副作用や副反応を3つ紹介します。
①接種後、次のような症状が出ることがあります。
・発熱
・耳下腺の腫れ
・嘔吐
・咳や鼻汁
などの症状が出ることがありますが、
一般的には軽く、
通常数日で消失します。
②自然のおたふく風邪に掛かった場合に比べ
頻度は少ないですが、
ワクチンによるものと
疑われる
「無菌性髄膜炎」が
接種後2~3週間頃、
まれに発症することがあります。
③予防接種を受けた後、
「無菌性髄膜炎」に掛かると
次の様な症状が出ます。
・発熱
・嘔吐
・頭痛
などの症状が出た時は、
早急に医師の診察を受けましょう。
※おたふく風邪で
毎年約30人に脳炎が起こっています。
脳炎が起こると
障害が残ったり
死亡したりすることがあります。
ワクチン接種後、
体調の変化があった時は
医師に診察してもらいましょう。
予防接種の費用について
おたふく風邪の予防接種の費用は、
助成してくれます。
その費用助成は、
各地域で異なります。
ここでは、
都心での費用助成の一部の地域を紹介します。
助成額 |
助成対象年齢 |
助成期限 |
|
中央区 |
4,000円
(1回につき助成) |
・1回目:満1歳~小学校就学前年度の方
・2回目:小学校就学前年度の方 |
小学校就学前年度の
3月末まで |
目黒区 |
3,000円
(1回につき助成) |
1歳以上4歳未満が対象
(対象者には個別に通知あり) |
通知書に記載あり |
練馬区 |
3,000円
(1回だけ) |
生後1年~3歳に至るまで
(生後11か月頃に通知あり) |
通知書に記載あり |
足立区 |
助成金なし
(1回5,000円自費) |
なし |
なし |
板橋区 |
3,000円
(1回につき助成) |
1歳の誕生日の前日~2歳の誕生日前日
(対象者には個別に通知あり) |
通知書に記載あり |
中野区 |
4,000円
(1人につき2回助成) |
満1歳~小学校入学まで
(対象者には個別に通知あり) |
小学校入学する年の
3月31日まで |
杉並区 |
4,000円
(1回だけ) |
満1歳~小学校入学まで
(対象者には個別に通知あり) |
小学校入学する年の
3月31日まで |
大田区 |
助成金なし
(全額自費負担) |
なし |
なし |
おたふく風邪の予防接種は、
各地域で違います。
また、助成金額や接種する料金が
異なる場合があります。
詳しくは、
各地域のホームページで確認してください。
(予防接種前には通知が来ます)
※おたふく風邪の予防接種の値段は
医療機関によって違います。
接種前には医療機関に
値段を確認してみるとよいでしょう。
よくある質問。予防接種をしてもうつるなどの疑問点
ここでは、よくある質問を紹介します。
①予防接種は受けるべきか?
【回答】
強制ではないですが、
予防接種を受けることをオススメします。
接種時期は、
1歳と5~6歳になる時期の
2回接種することで、
高確率で予防が出来ます。
②おたふく風邪の予防接種してもかかる?
【回答】
結論から言うと、
予防接種したのに掛かる可能性はあります。
2回目受けてもかかることがあります。
ワクチンを接種していても、
約10%の子供には免疫ができず、
将来おたふくかぜにかかる可能性があります。
この場合、
ワクチン接種してない場合と比べて、
耳下腺の腫れや
発熱の程度が
軽く済むようです。
③予防接種してもかかる?また予防接種してもうつる?
【回答】
ワクチンを接種していてもかかります。
またワクチンを打った人にも
うつる可能性があります。
もし、おたふく風邪をうつされたりなどで、
かかってしまうと
大人や10歳以上の子供さんでも
重症化することが知られています。
おたふく風邪の予防接種の効果
予防接種を受けることで、
おたふく風邪にかかる可能性は、
かなり低いです。
先程紹介したように、
接種は2回実施します。
1歳から接種することが出来、
2回目は1回目接種後2週間以上
経過していれば
接種できます。
子供の頃に接種を打ち忘れていても、
大人になってからでも
接種可能なので安心してください。
子供さんや家族の方などが、
おたふく風邪と疑われる場合は、
今回の記事を参考にしてみて下さい。
高熱などの症状が出た時には、
早めに病院を受診するようにしましょう。
今回は、
おたふく風邪の予防接種について解説しました。