お酒を飲むと、すぐに気持ちよくなって嫌なことを忘れられる…
まさしくこれが、禁酒できない理由。
シンプルに言えばそうなるが、
せっかくなので理由を掘り下げた上で
禁酒する方法を探っていこう。
禁酒できない理由…どうしても禁酒・禁煙できない人
禁酒に限らず、何か行動を続けたいのに続かない時は、まずその行動を
「増やしたいのか」「減らしたいのか」を明確にする。自分の目標と
する行動が「増やしたい」「減らしたい」のどちらに属するのかを
はっきりさせないと、継続方法を決めることができないから。
禁酒は当然、お酒を飲むという行動を「減らしたい」ケース。
残念なことに、お酒を飲みすぎる場合のように「やりすぎてしまう」
行動には、それを邪魔する他の行動が成り立ちにくい。例えばお酒の
代わりにウーロン茶を飲むと決めても、お酒の味を忘れることなど
到底できない(笑)。
邪魔するものといえば、家族から嫌がられたりお金がなくなる
ことだが、本人にとっては大した障害にはならない。そう、ハードル
そのものが存在しない。
やりすぎる行動は、それ自体が誘惑に満ちている。お酒を飲むと
いう行為は、飲んだ直後すぐに、確実に快楽という結果が得られる。
禁酒や禁煙をなかなか続けることができないのは、これが理由だ。
禁酒できないあなたのための具体的なアイデア
禁酒のように何かを続けたいなら、まずは自分の具体的な行動
そのものに注目すること。「なぜ続けることができない?」その行動を
冷静に分析することで、続けるための具体的なアイデアを考え行動を
変えていく。
当たり前だが、誰もが望む結果を得るため、
そして望まない結果を避けるために行動する。
そのため、行動する直前の条件を整えたり、行動する時にそれを
補助してくれる方法を考えたり、行動するメリットとデメリットを
考えたり、行動するまでの手間などの環境を変えることが行動に
大きく影響する。
シンプルに言えば、続けたい行動なら行動しやすくする、
やめたい行動なら行動しづらくする・・・
これが続けるための基本的な方向性だ。
禁酒のメリットを明確にする
お酒を飲んだ時、どんなメリットがあるだろうか?
リラックスでき落ち着く、味や香りに満足する、嫌なことを忘れられる
・・・こうしたメリットがあるなら、同じようなメリットが得られる
行動を探す。
一方で、禁酒できた時のメリットは何だろう?健康になる、つまみが
進まないので太らない、顔がむくまない、ボーッとせず夜を有意義に
使える、居酒屋代を使わなくて済む、家族から嫌われない・・・
これらにメリットを感じるとしたら、そのメリットが得られる
機会をいかに増やすかを考えてみよう。
手伝う人の役割を決める
飲まなかった日に奥さんや子供が褒めるだけでも、
人というのは続けていくモチベーションを保てる。
一方で、行動を継続できるように
より具体的な協力をしてもらう。
あなたが禁酒を始めたら、奥さんは家にあったボトルを捨て
今後はビールも買ってこない。家族は、お酒に関する情報を
できるだけ遮断する(笑)。
パートナーはもちろん、子供、上司や同僚などの
気軽に頼める人にサポートをお願いする。
周りの人を巻き込むと途中で挫折するのが恥ずかしく感じられるし、
何より協力してもらっているのに申し訳ないという心理も働く。
サポーターの存在を意識すると、誰でも自然と続けられるようになる。
お酒を飲みたくなるような環境から離れる
禁酒をしたいのに、コンビニに行くとついお酒を買ってしまうことに
気づいたのは、決めたことを続けることができない和久(笑)。
「お酒を目にするから欲しくなる」そのことに気づいた彼は、
コンビニに入ること自体をやめた。コンビニに寄る用事を極力
なくし、寄らなかった日は自分のカレンダーに丸をつける。
溜池山王の金融に勤める彼は下戸の同僚と仲良くなり(笑)、
いつも立ち寄っていた居酒屋を大戸屋に変えた。
レコーディング
さらに和久が始めたのは、「禁酒15日目!」のように
毎日ツイッターでつぶやくこと。
他人の目にあえてさらすことで、弱い自分へのサポートとする。
ツイッター上で応援されたり反響があったりすると、より続けよう
という気持ちに。
こうしたSNSも、続けたい行動の強い味方になる。
まずは禁酒を手伝ってもらう人を明確にする。パートナーがいるなら
恋人や奥さんだし、子供にだって協力できないことはない。
お酒を飲まなかった日に「よくできたね!」と褒めて
もらうだけでも、人は行動を続けやすくなる。
また、禁酒の環境を整えること。今まで買って溜め込んでいたお酒は
もう飲むことはできないとあきらめ(笑)、潔く捨てる。
当然奥さんにも、今後はお酒を一切買ってこないように頼むこと。
さらに、行動習慣やパターンを変えてみる。
リエの場合は駅前のサンクスに寄ってお酒を買うことが
習慣になっていた。そこで、お店が目に触れないような帰宅ルートに変更。
こんなちょっとしたことだけでも、
多くの人ができない禁酒は簡単に続けられる。
そして、禁酒できたら嬉しいことを書き出してみる。
俺の場合は、夜遅くまで頭をクリアにして仕事に使えること、
翌日の顔のむくみや頭痛がないこと、お酒代が節約できることだった。
禁酒できないのは「眠るために必要だから」・・・そんな場合は
オヤジがそうだったが・・・
禁酒できない理由として「毎晩なかなか寝つけないから
アルコールで眠気を誘うため」という、何とも
都合の良さそうな言い訳が(笑)。
確かにお酒を飲んで床に入ると、
寝入るのは早い。
しかしお酒を飲むと深い眠りに入ることができず、
睡眠の質は下がる。
またお酒がないと眠れなくなるのは
習慣的にも問題だし、肝臓にも負担。
そこで提案したいのは、お酒の代わりに
適度な運動の習慣を始めること。
体をほどよく疲れさせることによって、
気持ち良い眠りに入れる。
特に頭脳労働を続ける現代人は脳疲労が激しいので、
肉体の疲れとバランスさせることで快眠を得られるように。
また個人的には、バレリアンというハーブをおすすめしている。
これで禁酒できないあなたも、眠るためのお酒は要らなくなる(笑)。
お酒は社交の場では楽しいものであり、適度なら健康に悪影響はない。
飲みすぎないよう、うまくバランスをとって楽しみたい。
「だめだ。禁煙も禁酒もできない・・・
赤ん坊も生まれたってのに」
調布駅からの帰り道にLINEでコールしてきて、
ぼやくシゲ。
12歳から吸い始め、20歳で初めての禁煙にチャレンジした
伝説を持つ男が(笑)「続かないのはなぜ?」
40歳を過ぎてもそう悩んでいた。
彼と同様、禁酒できないのと同じように
悩む人が多いのが禁煙の難しさだ。
続かない禁煙に悩む旧友・・・
ヤマ中の3年で同じクラスになった愛煙家のシゲは、
毎日30本以上吸うチェーンスモーカー。
サラリーマンの彼の唯一の楽しみがタバコだったが、ついに
彼のIT企業が全面禁煙化。この機会に、禁酒もできない彼が
人生何度目かの(笑)禁煙を決意した。
ちょうど40代半ばも近づき、家族も増えて自分の健康も
気になり始めたし、小遣いも節約できて一石二鳥。
目立つことが嫌いな彼は、
誰にも宣言せずこっそり禁煙を始めた。
仕事中は耐えられたが、終了後よく行く居酒屋に
同僚と立ち寄ると、みんなが相変わらずうまそうに吸っている。
当然吸いたくなったものの、何とかごまかしたその帰り道、
タバコの自販機の前を通り過ぎた時、思わず買いそうになった。
帰ってご飯を食べ晩酌をしていると、
またタバコが欲しくなる。
あえて伝えておくと、
彼は決して意思が弱い人間ではない。
しかしお酒の酔いもあり、魔がさして決意が鈍った。
次の瞬間、奥さんに「灰皿ある?」
禁煙初日にして、彼は自分との約束を破った(笑)。
まさに禁煙が続かない人の典型パターンだろう。
禁酒や禁煙ができない理由と対処法
禁酒や禁煙という行為は行動科学でいう「過剰行動の減少」に当たるが、
お酒飲みすぎやタバコが体に悪いのは全ての人が知っているのにできない、
やめても続かない理由は、すぐに快感を得られるから。
これが、体質的に受け入れられない人のように
吸った直後すぐに息苦しくなるようなものだったら、
タバコを吸う人はいなくなる。
また家族から嫌がられたり小遣いが減るとしても、
吸った直後に得られるリラックス感を上回るほどのデメリットではなく、
あなたにとってはハードルは低い。これも止められない理由。
まず、タバコを吸いたくなるのは
どんな時か考えてみよう。
人が吸っているのを見た時、タバコのCMを観た時、
酒を飲んでいる時、満腹になった直後など。
では逆に、禁煙したくなるのはどんな時だろう?
真っ黒に汚れた肺の写真を見た時、妊婦が吸った直後にお腹の中で
暴れる赤ちゃんのエコーの映像を見た時、階段で息切れした時、
タバコの値上がり時、周囲から嫌がられた時・・・
禁酒同様、禁煙を始めたらまずはタバコを吸いたくなる条件や環境を
できるだけ遠ざけ、できない理由をなくすこと。
例えば、タバコを思いきって捨ててしまう。
ライターや灰皿などを全て家族に預け、箱に入れて厳重に管理する。
満腹になるまで食べない。
タバコ嫌いの上司と一緒に飲みに行く。
小銭を持ち歩かない。
自販機やコンビニのある道を避ける・・・など。
真っ黒になった肺の写真を大きくして、
PCのデスクトップにしたのはシゲ自身のアイデア(笑)。
一方で、タバコを吸った後のメリットである「気持ちが落ち着く」
「味や香りに満足する」「暇つぶしになる」の代わりになる他の行動を探す。
例えば「深呼吸する」「キャンディーを舐める」
「禁煙パッチを使う」といった方法。
そして、禁煙した時のメリットを
常に思い出せるよう工夫する。
若々しく健康になる。
心肺機能が高まり、運動が楽になる。
ヤニの匂いが消え、肌や歯の色が綺麗になる。
お金を使わなくて済む。
人から嫌われない。
何しろ異性にモテるようになる(笑)。
俺が移住して数年経つこのフィリピンは、日本よりもまだまだ
タバコが安く、また公共のマナーもまだまだ洗練されていないので
老若男女問わず多くの人が喫煙を楽しんでいる。
タバコが百害あって一利なしの代表である以上、どんな環境にいても
自分と家族にとってマイナスになるものを遠ざける工夫ができる自分でいたい。
仲間のあなたがお酒を飲みすぎたり愛煙家なら、
これを機会に禁酒や禁煙にチャレンジし
できない自分と決別する良い機会にするのはどうだろう?
まとめ
「何しろ太るし、翌日の朝
顔がむくむから嫌なのに・・・
禁酒できないのはなぜ?」
下北沢で、昔のカフェバースタイルのお店を経営する川北。
飲み屋で禁酒できないのはある意味当然だろう・・・
そう思いながら話を聞いていた(笑)。
また、
「ダイエットも禁煙も、禁酒もできない。
お兄どうしよう・・・」
嘆きのLINEを、俺のいるこのフィリピンまで
送ってくる妹のリエ(笑)。
女だてらによく飲み、タバコまで吸う・・・
この悪習は、本人も何とか断ちたいと思っている。
お酒のCMが始まったら目を背ける。
コンビニやスーパーに行く時は買い物リストを必ず持参して
お酒など余計なものは買わない。
ノンアル生活の素敵さを学ぶ。
飲み会には参加しないと周りの友人に宣言しておく
・・・
禁酒できない彼女なりに
様々な工夫をしている様子。
ちなみに大好きなコメディ映画「ハングオーバー」に出ていながら
お酒を飲まないブラッドリー・クーパーや、強そうなイメージの
「アイアンマン」ロバート・ダウニーJrがお酒と無縁なのは意外だった。
そう言えば、ずっと禁酒できないまま苦しんでいた
ブラッド・ピットも、今はお酒を断っている。